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「猫が教えてくれたこと」監督が荻上直子とトーク「レンタル猫屋を世界中に」

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左からジェイダ・トルン、荻上直子。

左からジェイダ・トルン、荻上直子。

猫が教えてくれたこと」のトークショーが、本日10月18日に東京・アキバシアターにて開催され、来日中の監督ジェイダ・トルンと「かもめ食堂」「レンタネコ」などで知られる荻上直子が登壇した。

本作は、トルコ・イスタンブールで暮らす個性的な猫たちを追ったドキュメンタリー。トルンは、制作の背景を「私は子供時代にイスタンブールの猫と一緒に過ごすというラッキーな体験をしました。そのあとニューヨークやロンドンなどさまざまな都市に行ったのですが、イスタンブールのような猫がいなくて寂しかった。イスタンブールからそんな猫がいなくなる前に、映画にして世の中に見せたいと思いました」と明かす。トルンいわくイスタンブールの猫は人に慣れているそうで、「カメラを向けられてうれしそうな感じもしました。クルーについてこられるのを楽しんでいるようでした」「カメラを持って近付いて、逃げてしまったら撮影許可がもらえなかったのだと、反対に逃げなかったら撮ってもいいんだと受け取っていました」と3カ月にわたる撮影を振り返った。

「家で私がこの映画を観ていたら、うちの猫がすぐそばに来てずっと一緒に観てくれていたんです。話を聞いたら、ほかの人もそうだったみたいで。猫に愛される映画ですね」と話した荻上。2011年に“レンタル猫屋”がテーマの「レンタネコ」という映画を監督したきっかけを聞かれ、「知り合いのおばあちゃまの猫が死んでしまって、『次の猫を飼いたいけど、最期まで見送ることができないかもしれないから飼えない』と聞いて。レンタルできる猫がいればいいなと思っていたら、猫カフェというサービスが出てきたので、みんな必要としてるんですね」と答える。それを受けトルンは「あなたのアイデアは素晴らしい! 猫は1人以上の人に飼われても平気なので、ぜひレンタル猫屋が世界中にできたらいいと思う」と賛同した。

本作ではイスタンブールでの公園の減少といった問題も扱われていることから、トルンは「猫と一緒に生活することで見えてくることがある。イスタンブールは自然から切り離されつつあります。子供は外で遊ばなくなっていて、犬や猫も家に閉じ込められている。すなわち人間の生活を反映していると思う」と語る。また「自身にとって、猫が教えてくれたこととは?」と聞かれた荻上は「“Be selfish”ですね。わがままでいていいんだ、と」と回答。それを聞いたトルンは「わがままでいることも大切ですよね。自分を守ることや、自分が誰なのかを知り、それを伝えるということだと思います」とうなずいていた。

「猫が教えてくれたこと」は、11月18日より東京・シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開。

(c)2016 Nine Cats LLC

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