映画ナタリー

ジブリ出身・米林宏昌の新作「メアリと魔女の花」、宮崎駿の反応は「覚悟を持て」

477

左から米林宏昌、西村義明。

左から米林宏昌、西村義明。

米林宏昌による長編アニメーション「メアリと魔女の花」の製作発表記者会見が、本日12月15日に東京都内で行われた。

スタジオジブリで「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」を手がけ、現在は新スタジオ“スタジオポノック”に所属する米林。会見の冒頭では「スタジオジブリを退社して初めての映画です。スタジオポノックで、西村義明プロデューサーや優秀なスタッフとともに鋭意新作を制作しております」と挨拶した。

米林とともにこの会見に出席した、同じくジブリ出身の西村。新スタジオ設立の理由を聞かれると、スタジオジブリプロデューサー・鈴木敏夫からジブリ制作部解散の知らせを受けたときのこと、「かぐや姫の物語」を携えアカデミー賞会場へ行った際に海外クリエイターから刺激を受けたことなどを回想する。

本作は、イギリスの女流作家メアリー・スチュアートによる児童文学「The Little Broomstick」を原作としている。西村は「『思い出のマーニー』は、ダイナミックな絵を得意とする米林監督が、その得意技を封印して、人物の些細な心情を描けると証明した作品。でもプロデューサーとしてはやっぱり、彼のダイナミックなアニメーションが見たい。だから元気な女の子が動き回るファンタジーをやろうと決めました」と語る。魔女というテーマを提案した際は米林に顔をしかめられたが、「(スタジオジブリの)『魔女の宅急便』は僕らが子供時代に喜んだ作品。それとはまったく違う、新しい魔女の物語をやろう」と説得したそう。

「『マーニー』は動と静で言えば“静”の作品。“動”の作品を作りたいと思った」と明かす米林。ストーリーについては「主人公のメアリは、何をやってもうまくいかないし、自分の容姿も気に入らない女の子。あるとき偶然特別な力を手に入れて、不思議な世界で冒険に巻き込まれていきます」と解説する。

本作のスタッフの8割は、ジブリ作品に関わった経験のある人材。多くの宮崎駿作品に参加した奥井敦と、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の福士享が撮影監督を務める。高畑勲、宮崎駿、鈴木敏夫の3人に何か相談したのかを聞かれると、西村は「企画の相談はしていないし、絵コンテもお見せしていません。スタジオを立ち上げるときには(それぞれに)お話に行きました」と答える。高畑からは「僕と宮さんが『ニモ』という映画で企画してできなかったことを、君たちが今やろうとしている感じがする」と言われたそう。そして宮崎と鈴木からは偶然にも同じ「覚悟を持ってやれよ」という言葉があったとのこと。米林は「後日宮崎さんに会ったときに『今がんばって作っています』と伝えたら、『うれしい!』と言っていただいて。こんなに素直な言葉が出てくる人なんだと驚きました(笑)。逆にプレッシャーも感じたので、改めて気を引き締めました」と振り返った。

そして米林は、「このようなアニメーション作品は、多くの子供たちが観ることになる。子供たちに何を見せるべきかというのは、ジブリが常に考えてきたものです。傷付けてしまったり、よくない道に誘導してしまう可能性もあります。今の時代や、観てくれる人たちを想像しながら作品を作っていかなければと思っています」と覚悟を述べた。

「メアリと魔女の花」は2017年夏に全国ロードショー。

(c)2017「メアリと魔女の花」製作委員会

映画ナタリーをフォロー