アニメ「賭ケグルイ」PR

「賭ケグルイ」|勝ち負けだけではない、緊張感が楽しい!河本ほむら(原作)×小沢一敬(スピードワゴン)×林祐一郎(監督)が“ギャンブル”トーク

河本ほむら原作、尚村透作画による「賭ケグルイ」がテレビアニメ化。7月よりMBS、TOKYO MXほかにてオンエアされている。ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)にて連載されている同作は、ギャンブルでの階級制度が存在する学園を舞台に、賭け事のリスクを楽しむ“賭ケグルイ”の蛇喰夢子を描くギャンブルマンガだ。

コミックナタリーではアニメの放送開始を記念し、2回にわたる特集を展開。第1回には原作者の河本と、アニメで監督を務める林祐一郎、そして以前から「賭ケグルイ」のファンだと言う、スピードワゴンの小沢一敬との鼎談を企画した。麻雀などのテーブルゲームを得意とし、ゲーム好きで知られる小沢は、作品のどこに惹かれたのか? アニメを見た感想は? 「賭ケグルイ」の魅力を3人にとことん語ってもらった。

取材・文 / 青柳美帆子 撮影 / 佐藤類
スタイリスト / 三島和也(Tatanca) ヘアメイク / 清香
衣装協力(小沢一敬) / CALL&RESPONSE(03-3351-7170)

「賭ケグルイ」と漫才の共通点

──小沢さんは、以前からマンガ「賭ケグルイ」を読まれているとか。作品との出会いはどのようなものだったのでしょうか。

左から河本ほむら、小沢一敬、林祐一郎。

小沢一敬 僕は本屋さんに行くことが多いので、面白そうなマンガの新刊が出ていたらよく買っているんですよ。「賭ケグルイ」は表紙をひと目見て、「面白そう!」と思って。見つけた時期は、第1巻が出たばかりだったかな? 表紙の力が強くて即買いでした。いまだに新刊が出れば買っているし、(早乙女芽亜里が主人公の)スピンオフ(「賭ケグルイ双」)も買ってます。

河本ほむら ありがとうございます! Twitterでも投稿してくださってましたよね(参照:小沢一敬‏ (@ozwspw) | Twitter)。小沢さんが読んでいる本の中に「賭ケグルイ」があるのを見つけてびっくりでした。

小沢 「賭ケグルイ」はね、全部よくできている! 詳しく言うとキャラクターが立っているし、ゲームも面白くて、緊張感のある心理戦の描写もすごい。僕みたいにゲームやマンガが好きな人はみんなハマるんじゃないかな。男性だけじゃなくて、女性も好きそう……(小声で)なんか偉そうですみません。

河本 いえいえ!(笑)

林祐一郎 「賭ケグルイ」のキャラクターって、ぶっ飛んでますよね。初めて原作を読んだとき、「アニメで映えそうだな」と思いました。(主人公・蛇喰)夢子の黒髪ロングで巨乳なところや、芽亜里のツインテールは、キャラの外見だけ見ると“テンプレート的な女の子キャラ”っぽい。でもそこから一気に裏返る魅力がある。

小沢 女子キャラがバラエティに富んでますよね。これほどバラエティ豊かな作品は、ほかでは「ときめきメモリアル」くらいじゃない?(笑)

アニメ「賭ケグルイ」より、生志摩妄(いきしまみだり)。

 第1話の時点ではまだ登場していませんが、生志摩妄(いきしまみだり)なんか、初見で「な……なんだこいつ!?」となりました(笑)。

生徒会のメンバーであり、美化委員長を務める生志摩妄。何よりもリスクを追い求めるその姿は、変わり者の多い「賭ケグルイ」キャラクターの中でも特に狂人ぶりが際立っている。©Homura Kawamoto・Toru Naomura/SQUARE ENIX

小沢 「こんなの現実にいないよ」ってくらい極端にデフォルメされてるんですよね。狂言まわしの鈴井(涼太)くんを除いて全員ぶっ飛んでいる。でもその極端さがいいですよね。それができるのは、作中のギャンブルゲームの部分がしっかりしているから。漫才のネタでも、設定がベタなら中身はシュールに、設定がシュールなら中身はベタに……とするようにしているんですよ。ゲームがしっかりしているから、中身にあたるキャラクターの極端さが引き立つ。

河本 あ、そうなんです! マンガを作るときに考えていることをまさにおっしゃっていただいて、びっくりしています。 

小沢 見抜きましたよー!

アニメ「賭ケグルイ」より、早乙女芽亜里。

河本 あはは(笑)。ただ、そうした意図に加えて、物語の中でさらに育ったキャラもいます。例えば芽亜里。アニメの第1話で「賭ケグルイ」を知った方は、原作の最新刊の芽亜里を見たら驚くかもしれない(笑)。当初の予定よりもだいぶ育って、スピンオフの主役にもなってくれています。

小沢 あっ、出た。マンガ家の先生がよく言う「キャラクターが勝手に動き出す」だ。

河本 それって冗談とか謙遜だと思ってたんですけど、書いてみると本当なんですよね。林監督が気に入ってくださっている妄は、特に“勝手に動き出した”キャラなんです。実は連載が始まる時点では妄の目についての設定はなくて、「このキャラ、なんで片目を隠しているのかな?」なんて思ってました。

小沢 えっ!?

小沢 眼帯をしてること以外は決めてなかったんですか?

アニメ「賭ケグルイ」第2話に登場する皇伊月。

河本 はい。なので、もしかしたら「オシャレで眼帯をしているだけの女の子」の設定になっていたかも。アニメの第2話に登場する皇伊月も、出した当初は再登場の予定も特になかったんです。

 妄は(単行本の)7巻ではすごく前に出てきてますよね。

河本 まさかこんなキャラになるとは。原作者が一番意外に思っています(笑)。本当にどのキャラクターも育ってくれました。

ゲーム好きの小沢が語る、「賭ケグルイ」のギャンブルゲームの魅力

小沢 ここ10年くらい、「作品の中で新しいゲームを作る」というパターンや、デスゲーム系のマンガをけっこう見るようになったと思うんです。「賭ケグルイ」はそうした作品の中の1つですけど、実際にやってみたくなるものが多い。例えば「二枚インディアンポーカー」は俺らでも楽しめそう……なんか僕、上から目線になっちゃってません?

「二枚インディアンポーカー」

  • 「賭ケグルイ」2巻より。©Homura Kawamoto・Toru Naomura/SQUARE ENIX

参加者全員がトランプを引き、自分以外がカードの数字を見られるよう額にかざしながら行う「インディアンポーカー」をアレンジしたゲーム。自分だけが確認できる「非公開カード」と、頭の上に掲げ自分以外が確認できる「公開カード」の2枚の組み合わせで勝負する。(「賭ケグルイ」2巻収録)

河本 全然そんなことないですよ!(笑) 作中のゲームを考えるときは、机の上にトランプやサイコロを並べて知恵を振り絞っているんです。ゲーム性を面白いと言っていただけてうれしいです。

小沢 俺はゲームが好きで、ときどき世の中にないオリジナルのゲームを考えることがあるんです。だから余計に、「賭ケグルイ」のゲームはロジックがちゃんとできていて、クオリティが高いなと感じる。どうやって作っているんですか?

河本 がんばって考えています(笑)。1から生み出すのは難しいし、読者がゲームをイメージしづらくなりがちなので、既存のゲームをアレンジすることを考えますね。例えば「生か死か」は、丁半博打をベースにしていますが、「穴熊」というイカサマがあることを知って、「これを使いたいなあ」と考えていきました。

「生か死か」

  • 「賭ケグルイ」1巻より。©Homura Kawamoto・Toru Naomura/SQUARE ENIX

生徒会メンバー・西洞院百合子が所属する、伝統文化研究会のオリジナルギャンブル。剣の形を模した駒が盤のどの穴に刺さるか、いわゆる“出目”を予想するゲームだ。「生か死か」では、剣が下向きに刺さった場合は“死”となり、相手に30倍の賭け金を支払うことになるオリジナルのルールが設けられている。(「賭ケグルイ」1巻収録)

小沢 アレンジしたゲームはすごくわかりやすいし、やってみたくなりますね。逆に、完全オリジナルの「扉の塔」はちょっと難しくて、俺は理解が追い付かなかった(笑)。

「扉の塔」

  • 「賭ケグルイ」6巻より。©Homura Kawamoto・Toru Naomura/SQUARE ENIX

ギャンブルのためだけに建てられた「扉の塔」。この建物の5階から1階に降り、先に5階に登ったものの勝ちとなる。簡単なルールで構成されるゲームだが、参加者は扉に表示される難解な問題を交互に解いていく必要がある。(「賭ケグルイ」6巻収録)

河本 書いているほうも難しかったです(笑)。全体の仕掛けもそうですが、作中に出てくる数学的な問題なんかも、ウンウンうなりながら考えて。僕も担当さんもド文系なので、問題を作りながら「えっ、“ラジアン”とかこんな単位が世の中にあるんだ」と勉強していきました。

小沢 殺伐としたものだけじゃなくて、アイドルの総選挙的なゲームもあるのもいいですね。一番好きなのは「賭ケグルイ双」に出てくる合コンのゲーム(「カップリングギャンブル」)。

「カップリングギャンブル」

  • 「賭ケグルイ双」2巻より。©Homura Kawamura・Kei Saiki/SQUARE ENIX

男女それぞれ5人に分かれ、チームでの対戦を行うゲーム。カップルが成立した場合は“おもてなし上手”な男性の勝利となり、女性が男性に賭け金を払い、カップル不成立となった場合は男性が女性に賭け金を払う。なお女性には敗北の際に義務を負うことを条件に、賭け金を大きく値引きできる“乙女の約束”という特典も用意されている。(「賭ケグルイ双」2巻収録)

河本 せっかく学園もので高校生という設定なので、そういうネタもあるといいかなと。実際「合コンだ!」と思いついたのは担当さんなんですけど……。

小沢 文系が思いつくのはコンパネタですからね!(笑) できたゲームは実際に試しているんですか?

河本 できるものはやっています。アニメの第2話に登場する「ダブル神経衰弱」は僕は試していないんですが、ファンの方が遊んでくれました。

「ダブル神経衰弱」

  • アニメ「賭ケグルイ」第2話より。

アニメ第2話にも登場する「ダブル神経衰弱」。その名の通りデッキを2つ使用し、数字だけではなくマークも同じものを当てていく。104枚の中からたった1組を当てなければならないため、普通の「神経衰弱」に比べて難易度が跳ね上がる。(「賭ケグルイ」1巻収録)

小沢 あっ! 俺、あれ勝つ自信ありますよ。最初がすごく大変だろうけど、ある程度まで進めばできるはず。

アニメ「賭ケグルイ」第2話では、夢子と伊月が「ダブル神経衰弱」をプレイする。

河本 そうなんです、そうなんです。聞くところによると、最初の数十分は全然手札が合わなくて、ひたすらめくるだけになるそうで(笑)。手札がある程度までオープンしたら、一気にゲームが進むみたいです。

 実際やってみないと分からないことってありますね。アニメの現場でも、チップやトランプ、モデルガンなんかを置いています。カードをめくる動作も、具体的にやってもらうと印象が変わる。そうした実際の動きをアニメに反映させています。

河本 絵だと特にそうですよね。作画の尚村(透)先生も、「生か死か」が登場する回を書いていたとき、キングサイズのカップ麺の空き容器を参考にしてゲームシーンを書いていたそうです(笑)。

──小沢さんが「賭ケグルイ」に登場してほしいと思うゲームはありますか?

小沢 最近俺らの間で流行っている「Neu(ノイ)」というゲームかな。数字が書かれたカードを順番に出していくんだけど、場のカードの合計が101を超えたらドボンなのね。1から10までの数字のカードのほかに、50、101、マイナス、ダブル、パス、ターンなんて特殊カードもある。単純なんだけどけっこう駆け引きがあって盛り上がります。

テレビアニメ「賭ケグルイ」
テレビアニメ「賭ケグルイ」公式サイト
放送情報

MBS:毎週土曜26:38~
TOKYO MX:毎週土曜22:00~
テレビ愛知:毎週水曜27:05~
RKB毎日放送:毎週水曜26:30~
BS11:毎週日曜26:00~

配信情報

Netflix:毎週日曜配信

スタッフ

原作:河本ほむら・尚村透(掲載 月刊「ガンガンJOKER」スクウェア・エニックス刊)
監督:林祐一郎
シリーズ構成:小林靖子
キャラクターデザイン:秋田学
音楽:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
制作:MAPPA

キャスト

蛇喰夢子:早見沙織
早乙女芽亜里:田中美海
鈴井涼太:徳武竜也
皇伊月:若井友希
西洞院百合子:奈波果林
生志摩妄:伊瀬茉莉也
夢見弖ユメミ:芹澤優
豆生田楓:杉田智和
黄泉月るな:鵜殿麻由
五十嵐清華:福原綾香
桃喰綺羅莉:沢城みゆき

「賭ケグルイ」Vol.1
2017年10月13日発売 / エイベックス・ピクチャーズ
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尚村透、河本ほむら「賭ケグルイ⑦」
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小沢一敬(オザワカズヒロ)
1973年10月10日生まれで、出身地は愛知県知多市。1998年12月に井戸田潤とお笑いコンビ・スピードワゴンを結成し、テレビや舞台など多方面で活躍している。2015年に地元・愛知県知多市のふるさと観光大使と「なごやめしPR大使」に就任。著書にTwitterなどでの発言をまとめた「失恋出来るなら恋したってかまわない」がある。スピードワゴンとしては毎月最終月曜日に下北沢にて主催ライブを開催中。
林祐一郎(ハヤシユウイチロウ)
アニメ演出家、アニメーター、監督。スタジオ・ライブ所属。監督としての代表作に「牙狼〈GARO〉-炎の刻印-」「劇場版『牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-』」など。
河本ほむら(カワモトホムラ)
アマチュア時代、2009年より牛乳名義でWEBマンガを新都社(にいとしゃ)にて執筆。2013年にガンガンJOKER新人漫画賞でネーム部門奨励賞を受賞し、「賭ケグルイ」でデビュー。ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)にて2014年4月号より連載中。司法試験合格歴あり。高校時代はバスケットボール部に所属。
尚村透(ナオムラトオル)
第9回スクウェア・エニックスマンガ大賞奨励賞受賞。2009年より「失楽園」をガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)にて連載し、全6巻で完結。同誌にてアニメ「TARI TARI」コミカライズのネーム構成を担当したのち、2014年より「賭ケグルイ」の作画を担当。